「デカルト」と「レヴィナス」を並べて語る理由

『存在の彼方へ』で頻出する〈近さ〉は、ハイデガーに極まる近代的存在論への批判概念として、レヴィナスの哲学体系全体をつらぬいて在ることを拙いながらも示そうと努めた。 振り返って読んでみると、仔細に論じるべき大きなテーマがいくつも配置されており…

後期レヴィナス〈近さ proximité〉概念についての考察 ―〈顔〉から〈強迫〉へ―

1.「潜在的母体」としての〈近さ proximité〉概念 本稿は、20世紀フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナス(1906 - 1995)の第二の主著である『存在の彼方へ あるいは存在するとは別の仕方で』(以下、『存在の彼方へ』)において頻出する〈近さproximité…